フィリピンの首都マニラ市内、日本でいう古い建築物が残る丸の内のようなオフィス街マカティにできた、本格的な懐石料理を提供する日本料理店のデザイン。

日本の有名和食店で修行されたシェフが作り出す料理は、選りすぐりの味わい深い皿に盛られ、味覚はもちろん視覚でも楽しむことができます。

そして来客がしっかりとその華やかな料理と向き合えるように華美な装飾を省き、洗練されたミニマルな空間作りを心がけました。

エントランスから格子ゲートになっているアプローチ、そして店内は回廊する空間構成でおもてなし、しつらいといった「茶室」の精神も取り入れながら、外装、内装で使用する素材を慎重に選定し、凛としながらも高揚感が生まれるよう照明計画からしっかりと考えることができたと思います。

そして日本から輸送した和紙作家による特注障子紙やアンティーク箪笥などが静寂な空間に風を感じるような「動き」や「おくゆかしさ」をより一層もたらしています。

この店舗では椅子までデザインさせていただき、より理念を伝える店作りができたと感じています。

客席構成はカウンター、ダイニングルーム、VIPルーム。

マニラでも本格的な和のおもてなし、料理、空間を体感できるということを多くの方々に
知ってほしいと願っています。

 

店名/懐石料理店 京兎 kyo-to
業態/飲食店
場所/フィリピン マニラ市マカティ
面積/55坪(181.5㎡)
客席/41席
工事規模/スケルトン状態からの新装

インテリアデザイン/エヌオーデザイン 溝上彰司
特注和紙製作/Washi Studio かみこや